Woodylife: 山と溪谷社 ウッディライフ No.95号 2001/07/12掲載 拡大致します。 拡大致します。 拡大致します。 拡大致します。 拡大致します。 拡大致します。


 ふたりそろって自然が大好き。山にもよく登るというK・Sさんご夫妻。木に囲まれた暮らしを夢見て、
ログハウスで自宅を建てることにした。敷地は、風致地区として名高い神奈川県鎌倉市にある。

 歴史ある美しい町並みだが、ログハウスを建てるにあたって、二つの大きな壁が存在した。その一つ
が防火規制。この土地は22条地域に指定されているので、ログ壁をむき出しにするなら、隣地から3m
以上離さなければならない。限られた面積のなかでそれだけの後退距離を取ると、ずいぶん小さい家
になってしまう‥…。

 「そこで、(財)日本建築センターの『土塗壁同等』の評定を取得したマシンカットの躯体を使うことを
提案したんです」 というのは、設計、施工を担当した神奈川産業鰍フ伊藤倫邦社長。この評定を取得
した躯体は特殊な防火処理が施してあり、隣地から1m以上離せばOKなのだ。 

 もう一つの壁は、敷地に至るまでの狭い道路である。建築現場までは幅3m弱の路地しかなく、しかも
隣家が軒を連ねているため、搬入、作業のスペース確保が難しかった。しかし同社は知恵を絞り、パズル
のように組み立て方を工夫することで対応。

 見事に完成させている。「この場所に建てられるなんて、本当に魔法みたい。まだ引っ越したばかり
ですが、これからインテリアにも擬って、ログハウスでの暮らしを満喫したいですね」 とオーナーご夫妻
はご満悦だ。


アーチカット越しにダイニングをの
ぞむ。テーブルセットは、長野県
の知人に作ってもらつたもの。
野生味たっぷりで気に入っている。
↑裏山から見ると、周り
の状況がよくわかる
→ログの接合部にある黒
いものが、不燃材の特殊
な発泡材だ。火災に遭う
と熱で膨張して、炎と煙
が室内に侵入するのを防
止。延焼をくいとめる。
吹き抜けが気持ちいいリビング。
カーテンや調度品などは、これか
ら好みのものを入れていく予定。
どんな風になるか楽しみだ
DATA
家族=4人
敷地面積=232.26u
延床面積=127.88u
(1F=69.61u、ロフト=58.27u)
その他面積=14.85u
着工=2000年12月
完成=2001年5月
使用丸太材=スギ、ダグラスファー
丸太の太さ=14×16p
総工費=2610万円
(基礎=260万円、丸太材=700万円
 木工事=950万円、設備=400万円
 その他=300万円)
設計、施工=神奈川産業
ログシェル供給=泣宴塔xックス東京
本当はハンドカットを
建てたかったが、規制
のため断念。しかし、
伊藤さんの提案で梁な
どに太い丸太を採用し
た。迫力ある空間にオ
ーナーご夫妻も大満足

山と溪谷ウッディライフNo.95号2001/07/12掲載
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