ふたりそろって自然が大好き。山にもよく登るというK・Sさんご夫妻。木に囲まれた暮らしを夢見て、 ログハウスで自宅を建てることにした。敷地は、風致地区として名高い神奈川県鎌倉市にある。 歴史ある美しい町並みだが、ログハウスを建てるにあたって、二つの大きな壁が存在した。その一つ が防火規制。この土地は22条地域に指定されているので、ログ壁をむき出しにするなら、隣地から3m 以上離さなければならない。限られた面積のなかでそれだけの後退距離を取ると、ずいぶん小さい家 になってしまう‥…。 「そこで、(財)日本建築センターの『土塗壁同等』の評定を取得したマシンカットの躯体を使うことを 提案したんです」 というのは、設計、施工を担当した神奈川産業鰍フ伊藤倫邦社長。この評定を取得 した躯体は特殊な防火処理が施してあり、隣地から1m以上離せばOKなのだ。 もう一つの壁は、敷地に至るまでの狭い道路である。建築現場までは幅3m弱の路地しかなく、しかも 隣家が軒を連ねているため、搬入、作業のスペース確保が難しかった。しかし同社は知恵を絞り、パズル のように組み立て方を工夫することで対応。 見事に完成させている。「この場所に建てられるなんて、本当に魔法みたい。まだ引っ越したばかり ですが、これからインテリアにも擬って、ログハウスでの暮らしを満喫したいですね」 とオーナーご夫妻 はご満悦だ。 |
アーチカット越しにダイニングをの ぞむ。テーブルセットは、長野県 の知人に作ってもらつたもの。 野生味たっぷりで気に入っている。 |
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↑裏山から見ると、周り の状況がよくわかる →ログの接合部にある黒 いものが、不燃材の特殊 な発泡材だ。火災に遭う と熱で膨張して、炎と煙 が室内に侵入するのを防 止。延焼をくいとめる。 |
吹き抜けが気持ちいいリビング。 カーテンや調度品などは、これか ら好みのものを入れていく予定。 どんな風になるか楽しみだ |
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本当はハンドカットを 建てたかったが、規制 のため断念。しかし、 伊藤さんの提案で梁な どに太い丸太を採用し た。迫力ある空間にオ ーナーご夫妻も大満足 |